ブダペストが、想像をはるかに超えて美しかった。
正直、ハンガリーのことを何も知らなかった
恥ずかしながら、ハンガリーについての知識はほぼゼロだった。ブダペストという都市名すら、旅の計画を立てるまでちゃんと認識していなかったレベルである・・・・
少し調べてみると、ドナウ川を中心に広がるこの街はヨーロッパでも最も美しい都市のひとつと言われており、「ドナウの真珠」という異名まで持っている。さらに街全体が世界遺産に登録されているというのだ。
食も洗練されていて、フォアグラが安く食べられるという情報もある。物価も西欧に比べればかなり安い。
パーフェクトな条件が揃っているではないか。
日本でヨーロッパ旅行というと、まずイタリア、フランス、スペインあたりが真っ先に挙がる。もちろんそれらの国は素晴らしいのだが、少し視野を広げるだけで、こんなにも魅力的な都市に出会えるのだ。旅の醍醐味は「知らなかった場所」との出会いにあると思う。
観光地として完成された街

実際に訪れてみると、ブダペストは完全に観光地として成り立っていた。街中は観光用の地図を持った欧米人で賑わっている。ヨーロッパの中では人気の観光地なのだろう。
しかし印象的だったのは、アジア人がほとんどいないこと。中国人を少し見かけた程度で、日本人には一人も会わなかった。

同じ宿に泊まった中国人女性は一人旅をしており、スウェーデン、ハンガリー、デンマーク、ブルガリアを回るのだという。なぜその国を選んだのかと聞くと、自分でしっかり情報収集をした上で選んでおり、「とりあえず人気だから」という理由はないのが印象的だった。
旅のスタイルは人それぞれだが、自分の軸を持って国を選ぶ旅人には、どこか惹かれるものがあるのだ。
交通網が優秀すぎる

ブダペストは地下鉄、トラム、バスと交通網が非常に発達しており、スムーズに移動できた。効率的に観光地を回れるのは、限られた時間しかないバックパッカーにとってありがたい。
ちなみに地下鉄の1号線(M1)は、ロンドンに次いで世界で2番目に古い地下鉄である。歴史ある地下鉄に乗って観光地を巡る、というだけでもう旅情がある。
ドナウ川沿いを走るトラム2番線は、車窓からの景色が絶景で「世界一美しい路面電車」とも言われている。僕はいつも通り基本は徒歩で回ったが、このトラムだけは乗る価値があった。
2026年現在、ブダペストの公共交通機関はICカード「Budapest GO」に一本化されつつある。紙チケットも引き続き使えるが、アプリでの購入が主流になっており、以前よりさらに便利になっている。トラム2番線の車窓は相変わらず絶景で、夜景も素晴らしいのでぜひ夕方以降にも乗ってほしい。
ドナウ川沿いの世界遺産を歩く
正直、ハンガリーを楽しむのであれば3日は欲しい。食、歴史、景色、夜景と回るところが多く、1日では到底足りないのだ。
しかし限られた時間の中で、主要な見どころは押さえることができた。ここからは、実際に回ったスポットを紹介していく。
国会議事堂 ― 圧倒的な存在感

まず目に飛び込んでくるのが、ドナウ川沿いにそびえ立つ国会議事堂。ネオゴシック様式の巨大な建物で、その存在感は圧倒的である。

正面から見ると、その壮麗さがさらに際立つ。左右対称のデザイン、中央のドーム、無数の尖塔。これが国会議事堂とは、ハンガリーのスケール感には恐れ入るのだ。
セーチェーニ鎖橋 ― ブダとペストを繋ぐシンボル

ブダペストという街の名前は、ドナウ川の西岸「ブダ」と東岸「ペスト」が合併してできたものだ。その2つの地区を繋ぐ象徴が、このセーチェーニ鎖橋である。
実際に歩いて渡ってみると、その重厚さに圧倒される。石造りの門塔は見上げると首が痛くなるほどの高さで、鋼鉄のチェーンが太陽の光を受けて輝いていた。橋の上からはドナウ川の両岸が一望でき、まさにブダペストのベストビューポイントのひとつだった。
2026年現在、セーチェーニ鎖橋は大規模改修を経て2023年にリニューアルオープンしている。夜のライトアップも刷新され、以前にも増して美しくなったという。ブダペストを訪れるなら、昼と夜の両方で見ることをおすすめする。
マーチャーシュ教会 ― モザイク屋根の美しさ

ブダ地区の丘の上に建つマーチャーシュ教会。このモザイクタイルの屋根が、とにかく美しい。

オレンジ、緑、白の幾何学模様が織りなすタイルは、ヨーロッパの教会の中でも独特な存在感を放っている。13世紀に建てられた歴史ある教会で、オスマン帝国時代にはモスクとして使用されていたという波乱の歴史を持つ。
今までたくさんの教会を見てきたが、屋根のデザインでここまで心を掴まれたのは初めてだった。
ゲッレールト山と自由の女神像 ― ブダペスト最高の展望台

ゲッレールト山の頂上にそびえる自由の女神像。ヤシの葉を高く掲げた女性像のシルエットが、夕暮れの空に浮かび上がる姿は神々しかった。

そしてこの山からの眺望が、ブダペスト観光のハイライトである。ドナウ川が街の中央を流れ、その両岸に世界遺産の建造物が並ぶ光景は、今まで12カ国を旅してきた中でも間違いなくトップクラスの絶景だった。
国会議事堂、鎖橋、マーチャーシュ教会、そして遠くに広がる山々の緑。ブダペストが「ドナウの真珠」と呼ばれる理由が、この場所に立てば一瞬でわかるのだ。
メインストリートを外れた先の魅力

観光名所だけがブダペストの魅力ではない。メインストリートを少し外れると、石畳の路地や急な階段が入り組んだ、趣のある街並みが広がっていた。

特にブダ側の丘陵地帯は、坂道と階段の連続。カラフルな建物が並ぶ小道を歩いていると、観光地の喧騒が嘘のように静かで、地元の人々の暮らしが垣間見える。こういう「裏道散歩」が、僕にとっての旅の一番の楽しみだったりするのだ 笑
ブダペストは間違いなくおすすめできる
ブダペストは、ヨーロッパでおすすめの観光地を聞かれたら間違いなく推す都市になった。
圧倒的に美しい景色、充実した交通網、手頃な物価。バックパッカーからリゾート旅行者まで、誰が行っても満足できる懐の深さがある。
正直なところ、1日では全く足りなかった。食事もじっくり楽しみたかったし、有名な温泉にも入りたかった。次に来る機会があれば、最低でも3日は滞在したい。
2026年現在、ブダペストはヨーロッパの中でもデジタルノマドに人気の都市として急成長している。高速Wi-Fiが使えるカフェが充実し、コワーキングスペースも続々とオープン。物価は西欧の半分程度で、それでいて食のレベルが非常に高い。温泉文化も健在で、セーチェーニ温泉やゲッレールト温泉は今も観光客に大人気。「住むように旅する」スタイルにぴったりの街なのだ。
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つづく。