旧市街の中にあるホステルに宿泊した。そして、このホステルでのちょっとした出会いが、旅の良い思い出になったのである。

チェックインで迎えてくれたのは、このホステルを経営している若いオーナーさん。とても気さくで、明るい人だった。部屋まで案内してもらいながら、少し言葉を交わす。旅先で最初に出会う「その土地の人」の印象は、その街全体の印象を左右するものだ。
明るいスタッフさんとの再会
部屋の使い方を教えてもらい、少し休憩してから街の散策に出かけようとしたとき。廊下で、掃除をしていた別のスタッフさんとばったり会った。
「Hi!」と声をかけると、明るく返してくれる。少し話してみると、彼女はここで毎日働いているとのこと。しかも、なんとオーナーさんの妹だという。姉妹で切り盛りしているホステルだったのだ。
仕事の邪魔をしても悪いので、軽く言葉を交わして、僕は街の散策に出かけた。
「どうせなら、一緒にご飯でも」

街をぶらぶら歩きながら、僕はふと考えた。
――どうせ夜、一人でご飯を食べるのもつまらない。思い切って、さっきのスタッフさんをディナーに誘ってみよう。
下心というより、シンプルに交流したかったのだ。クロアチアの暮らしや、日本との違いを聞けるだろうし、こういう出会いこそが一人旅の醍醐味である。ホステルの記事でも書いたが、旅先では自分から一歩踏み込むと、世界がぐっと広がるのだ。
そこで、翌日のスキューバダイビング(実は人生初!)の予約もかねて、ホステルへ戻ることにした。
受付のお兄さんが、まさかの……
ところが、ホステルの受付に戻ると、姉妹の姿はなく、男性スタッフに替わっていた。
彼に「明日、スキューバダイビングに行きたい。人生で初めてなんだ」と話すと、非常に親切に予約を進めてくれた。
予約が完了したところで、僕は思い切って切り出してみた。「午前中に働いていたスタッフさん、いたよね? 彼女とディナーに行きたいんだけど」と。
すると彼は、快く「OK!」と、その場で電話をかけてくれたのである。
……実はこのお兄さん、あとで判明したのだが、オーナーさんの彼氏だった。交際8年目で、プロポーズを待たれているらしい。笑 そんな彼が、こんなに気持ちよく協力してくれるとは。ドブロブニクの人たちの、おおらかで温かい人柄が伝わってくる。
わくわくの、翌日
電話の結果は、「今日は忙しいけど、明日ならOK」との返事。
翌日は、昼に人生初のスキューバダイビング、夜はディナー。なんとも楽しい一日になりそうだ。旅先での小さな勇気が、こんな展開を連れてきてくれる。胸を高鳴らせながら、僕はその夜を過ごしたのである。
今思えば、言葉も文化も違う土地で、こうして現地の人と交流できたのは、本当に貴重な経験だった。臆せず「Hi!」と声をかけ、「ご飯でもどう?」と誘ってみる。たったそれだけのことが、旅を何倍も豊かにしてくれる。翻訳アプリが進化した今なら、あの頃よりもっと簡単に、誰とでも仲良くなれるはずだ。
さて、人生初のスキューバダイビングは、無事に成功したのか――。その顛末は、次回の記事でお伝えしよう。
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つづく。