スロベニアのリュブリャナから、クロアチアのザグレブへ向かう。
この移動は、比較的簡単だった。国際バスが1日に何本も出ているので、予約をしなくても当日券が取れる。(オンシーズンはどうか分からないが)

リュブリャナ駅の近くにチケット売り場があるので、行き先を伝えればチケットを買える。料金は**12ユーロ(約1400円)**であった。
チケットに付いてきた、謎のホットドッグ券
ここで、ちょっと面白いことが。バスのチケットを買うと、ホットドッグが安く買える券が付いてきたのだ。謎の特典である。笑

「HOT-DOG classic、samo(=たったの)1€」。……もちろん、買わない訳がないのである。

出てきたのは、フランスパンにマヨネーズとケチャップをかけ、ウインナーを挟んだだけの、非常にシンプルなホットドッグ。味は、至って普通であった。笑
いざ、国境を越える

さて、ここからが本題。バスに揺られていよいよ国境へ。
移動時間自体は3時間ほどで済むのだが、ひとつ注意すべきことがあった。クロアチアはEUに加盟しているのに、国境を越えるにはパスポートコントロール(出入国審査)が必要だったのだ。
「EU内なのに、なぜ?」と不思議に思って調べてみると、原因はシェンゲン協定に加盟していないことだと分かった。
シェンゲン協定とは?
シェンゲン協定とは、簡単にいうと国境検査なしで国境を越えられる協定である。加盟国同士なら、まるで国内を移動するかのように、審査なしで行き来できる。
当時(2016年)のクロアチアは、これにまだ加盟していなかった。だから、審査が必要だったというわけだ。
さらに調べてみると、当時はこのシェンゲン協定そのものが揺らぎつつある状況だった。原因は、ヨーロッパに押し寄せた大規模な難民・移民の流入である。多くの国が受け入れの限界に達し、国境付近での審査が厳しくなっていたのだ。
実はシェンゲン協定は、例外的に、期間を絞って国境検査を再開できる仕組みになっている。当時、テロ事件の直後などには、実際に国境審査が一時的に再開されていたらしい。
2023年、状況は大きく変わった
今思えば、あの国境でのパスポートチェックは、もう過去のものになった。クロアチアは2023年1月1日、ついにシェンゲン協定に加盟したのだ。 これにより、スロベニアとの陸路国境での検査は原則廃止。今リュブリャナからザグレブへバスで向かっても、基本的にはパスポートコントロールなしで、スーッと国境を越えられる。
さらに同じ2023年1月1日、クロアチアは通貨もユーロを導入した。当時は「クロアチアはクーナ(旧通貨)だから両替が必要」だったが、今はイタリアもスロベニアもクロアチアも、すべてユーロで移動できる。旅人にとっては、格段に便利になったのである。
| 項目 | 当時(2016年) | 今(2026年) |
|---|---|---|
| 国境審査 | パスポートコントロールあり | 2023年シェンゲン加盟で原則廃止(※混雑時に抜き打ちチェックが入ることはある) |
| 通貨 | クロアチアはクーナ | 2023年にユーロ導入。両替不要 |
| 移動手段 | 国際バスの当日券 | FlixBusなどの直行バスが主流。アプリで事前予約も簡単 |
ただし、パスポートは常に手元に。シェンゲン内でも、時期によっては抜き打ちで検査が入ることがある。「国境がある」ことは、頭の片隅に置いておこう。
まとめ
ヨーロッパの陸路移動は本当に手軽だが、国によって「国境のルール」が違うのが面白いところだ。
もしヨーロッパを回る計画をしているなら、事前にその国の情勢や、国境・周辺国の状況を調べておくと安心である。国境ひとつとっても、そこには歴史や政治が詰まっている。それを感じられるのも、陸路の旅の醍醐味なのだ。
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つづく。