ドミトリーで6人ぐらいで会話をしていたときのこと。ポルトガル人の男性が、日本に対してとんでもないイメージを持っていた。

内容は、ここには書けないほど過激で、偏ったものだった。要するに「日本人(東京の男性)はみんな、常識では考えられない特殊な行動をしている」といった類の、完全な誤解である。
僕は「NO!!! NO!!!」とはっきり否定した。だが、「それはごく一握りの人の話で、ほとんどの日本人はそんなことしないよ」と英語できちんと伝えられなかったのが、非常に残念であった。
なぜ、こんな誤解が広まるのか
なぜ、このような情報が出回っているのか――。
この旅ですごく感じたことだが、実は僕自身も、異国に対してまったく違ったイメージを持っていたことに気付かされる場面が、何度もあった。
あくまで一例だが、中国人とコミュニケーションを取ったとき。僕は勝手に「日本に対して、あまり良い感情を持っていないのでは」と思い込んでいた。ところが実際に話してみると、「日本が大好きだ」と言うのである。拍子抜けするほど、フレンドリーだった。
そもそも、なぜ僕は「中国の人は日本を良く思っていない」と思い込んでいたのか。元をたどれば、すべてはメディアの情報なのだ。
メディアは「表面」しか映さない

以前の記事にも書いたが、メディアの情報は、どうしても表面的な部分が大きくなる。
100人のうち1人が起こした出来事でも、まるで全員がやっているかのように報道すれば、それがその国のイメージになってしまう。
国内にいる人にとって、海外の情報源はネットやテレビといったメディアがほぼすべてだ。それ以外で知る方法は、現地に行くか、現地の人に直接話を聞くしかないが、簡単なことではない。
おそらくあのポルトガル人男性も、テレビかネットで「これが日本の文化だ」的なタイトルの番組を見て、東京の男性のほとんどがそうなのだと信じ込んでしまったのだろう。
視聴率を取るために、一部の極端な文化や考え方を放送するのは、まあいい。だが問題は、受け手が情報に自分の思考を通さないと、簡単に操作されてしまうということだ。これを、身をもって痛感した出来事であった。
2026年の今、この問題はもっと深刻かもしれない
今思えば、僕がこれを感じた2016年は、まだテレビや新聞が情報源の中心だった。だが今は、SNSやショート動画が全盛の時代。誰もが自由に発信できる一方で、切り取られた過激な情報ほど拡散されやすく、アルゴリズムは「あなたが見たいものだけ」を延々と見せてくる。偏ったイメージが作られるスピードは、あの頃の比ではない。
さらに今はAIが生成したフェイク画像や動画まで飛び交う時代だ。「見たものすら信じられない」――そんな状況で、僕たちに求められているのは、やはり10年前と同じ。情報を鵜呑みにせず、自分の頭で一度考えることである。
そして何より、いちばん確実なのは「実際に足を運んで、自分の目で確かめる」こと。一人旅がくれる最大の学びは、まさにこれなのだと思う。ネットにどれだけ情報があふれても、現地で交わした握手や笑顔に勝るものはないのだ。
まとめ
海外に出て、いろいろな国の人と話してみて分かったこと。それは、僕らが「常識」だと思っているイメージの多くが、実はメディア越しの、ぼんやりした思い込みだったということだ。
相手の国を、そして自分の国を、フラットな目で見る。そのためには、やっぱり自分の足で世界を歩くのが一番なのである。
……そして最後に一言。
いつか、あのポルトガル人男性の誤解だけは、絶対に解かなければ! 笑
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つづく。