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シンガポールで感じたこと|一人旅で考えた経済成長と外国人労働者のリアル

東南アジアを巡る旅も、ついにシンガポールまでたどり着いた。

それまで歩いてきたタイ、ラオス、ベトナム、マレーシアとは、街の空気がまるで違ったのだ。

マリーナベイサンズとアートサイエンスミュージアム

シンガポールはアジアの中で一番の経済成長を遂げており、GDPは世界7位(2016年当時)。日本が26位であることを考えると、その勢いは圧倒的だった。平均所得も日本より約100万円ほど高い。

もちろん、富豪層が平均値を押し上げている可能性もあるので、単純な数字だけで判断は出来ない。だが、街を歩いているだけで「この国は伸びている」という熱気が肌で伝わってきたのだ。

たった40年で先進国へ

シンガポールは国の政策、言語、外資を入れやすい体制を早くから築いており、わずか40年で先進国の仲間入りを果たしている。

ビジネスの中心地というだけではない。観光立国としても見事に成り立っているのだ。

マリーナベイの金融街にそびえる高層ビル群

マーライオンやマリーナベイサンズといった、僕でも知っている定番の観光地だけではなかった。新しい遊園地やアトラクション施設が次々と出来上がっており、滞在中も建設中の施設をあちこちで見かけた。今後ますます経済成長を遂げていくのだろうと感じた。

インフラ面も、まったく不便がなかった。MRTという地下鉄がシンガポール中を走っており、東京23区と変わらないレベルで移動が出来る。だからバイクや車は、他の東南アジアと比べるとかなり少ないのである。

今思えば、両替で詰まったりコインの切符に苦戦したりした当時のMRTも、今ではタッチ決済(SimplyGo)でクレジットカードをかざすだけで乗れてしまう。あの頃の苦労が嘘のようだ。

今のシンガポールは「カード1枚」で完結する

当時の僕は、国境で両替に走り、MRTのコインを使い果たして詰まった。だが今のシンガポールは、世界でも有数のキャッシュレス先進国だ。

今思えば、僕を苦しめた「現金両替」と「コインの切符」は、海外で使えるクレジットカード1枚でまるごと解決してしまう。出発前に手数料・タッチ決済対応をチェックして1枚作っておくだけで、旅のストレスは劇的に減るのだ。

💳 海外で使えるクレジットカードのおすすめは、別記事で詳しくまとめる予定です(リンク準備中)。

外国人を受け入れて伸びた国の、いま

シンガポールは早くから、優秀な外国人を受け入れる政策を取ってきた。2013年には人口の40%以上が外国人という状況だったという。

ところが調べてみると、直近では国民から多くの不満が上がってきており、外国人労働者を抑制する動きも出てきていた。たとえば、一定比率以上のシンガポール国籍の人を幹部に雇用していない企業には、ペナルティが課されるといった具合だ。

ここに、僕は深く考えさせられた。

東南アジアを回ってきて感じたのは、まだまだ教育水準が低い国がほとんどだということ。だからこそ、優秀な外国人労働者を受け入れて経済成長を図るのは、国として非常に有効な手段になる。

しかし国の経済が発展するのに比例して、教育水準も少なからず上がっていく。すると、高等教育を受けた国民の不満が大きくなっていくのは、容易に想像が付く。これは難しい問題だ。おそらく他の東南アジアの国々でも、後々同じことが起こると考えられる。

移住という選択肢の、表と裏

たとえば、バンコクに移住した友人がいる。

タイでは国の政策として外国人労働者の最低賃金が決まっており、その水準がタイ国民のマネージャークラス(10年以上勤務)に匹敵するのだという。もちろん無能な人が移住してきても問題なので、大卒の資格やスキルは審査される。だが、まだまだ甘い状況なのだとか。

最近、日本では厳しい生活をしていた人が東南アジアに移住し、同じ給与で裕福な暮らしをしている――そんなテレビ番組を見かける。だがその多くは、電話オペレーターやメール受付対応の仕事だったりする。

実際にそうした動画を視聴した現地の人から話を聞いたのだが、「自分たちの仕事を奪われてしまった」と言っていた。番組自体はいいと思う。けれど、変な捉え方をする人が出てくるのは、正直こわい。

楽をするためだけの移住も、それはそれでありだと思う。だがタイの経済成長を本気で考えるのであれば、たとえばITの技術を持っている人が移住してくることは、国としてもありがたいはずだ(タイはITのスキルがまだまだ低い)。日本の技術やスキルを持った人が移住して、現地の経済成長を促進できれば、より良いwin-winの関係が作れるのではないか。

とはいえ実際には、移住希望者は増えているが、移住者の数そのものはあまり変わっていないらしい。

今思えば、SNSやメディアで流れてくる「海外移住」の情報は、当時よりさらに増えた。けれど表面的な部分が多いのは今も同じだ。実際に裏側まで思考を通さないと、本質は見えてこない。気をつけなければいけないと、39歳になった今も強く思う。

マクスウェルフードセンターで一息

にぎわうマクスウェルフードセンターのホーカー

そんなことを考えながら歩き回ったあと、立ち寄ったのがマクスウェルフードセンター。

安くて美味しくて、本当におすすめである! きらびやかな高層ビルの足元に、こうした庶民の胃袋を支える熱気あふれる場所がちゃんと残っているのが、シンガポールの面白いところだと思う。

シンガポール名物といえば、海南鶏飯(チキンライス)。マクスウェルフードセンターにも有名なチキンライスの店があり、長い行列が出来ていた。物価の高いシンガポールでも、ホーカーなら数百円でしっかり一食。旅人の財布にも本当にありがたい場所なのだ。

明日は、シンガポールで働いている前職の上司に会える。非常に楽しみだ♩ いろいろと話を聞いてみようと思う。

当時(2016年)と今(2026年)のシンガポール

あれから10年。シンガポールの経済も旅事情も、さらに変化した。当時の僕が肌で感じたことと、今の状況を並べておく。

項目当時(2016年)今(2026年)
GDP(一人あたり)世界トップクラスで日本を上回るさらに差を広げ、アジア有数の水準を維持
決済現金両替が必須でコインに苦戦ほぼキャッシュレス。タッチ決済カード1枚で完結
MRTの乗車コインで切符を購入SimplyGoでクレカをかざすだけ
入国手続き紙の入国カードを記入紙は廃止、SG Arrival Cardをオンライン提出
外国人労働者政策受け入れ拡大の一方で国民の不満が表面化自国民雇用を促す規制を段階的に強化

今思えば、街の熱気も外国人政策の難しさも、10年経った今もそのまま地続きで続いている。変わったのは「旅のしやすさ」だ。スマホとカード1枚あれば、あの頃の苦労の大半は消えてしまうのである。

次に読む記事

👉 移動のバスで考えた、東南アジアを旅して感じたこと

つづく。


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