「もし1日しかスペインに居られないのなら、迷わずトレドへ行け」
スペインについて調べていると、いろいろなサイトでこの言葉を目にした。そこまで言われたら行かない訳にはいかない。
マドリッドから日帰りで行ける古都
トレドはスペインの古都で、街全体が世界遺産に登録されている有名な観光地である。
しかもマドリッドから約75キロとアクセスが非常に良い。マドリッドに滞在していた僕は、丸1日使ってトレド観光をすることにした。
実際、マドリッドに泊まってトレドへ日帰りする人はかなり多い印象だった。もちろんトレドにもホテルやホステルはあるのだが。
朝9時に起きて、早速向かってみた。
行き方はバスと鉄道の2通り
結論から言うと、トレドへの行き方はバスと鉄道の2通りである。
| 移動手段 | 往復料金(2016年当時) | 乗り場 |
|---|---|---|
| バス | 約1,000〜1,500円 | プラサ・エリプティカ駅(地下鉄) |
| 鉄道 | 約2,500〜3,000円 | アトーチャ駅 |
料金はバスの方が圧倒的に安い。ということで、今回はバスで行ってみた。
地下鉄のプラサ・エリプティカ(Plaza Elíptica)駅で降りると標識があるので、それを目印に進むとバスターミナルに到着する。かなり多くのバスが走っており、電光掲示板にトレド行きのプラットフォームが表示される。僕のときは7番線だった。
道に迷うことはほぼ無いと言える。
そして約1時間ほどで、目的地のトレドに到着した。
2026年現在、バスはALSA社が運行しており、片道5〜6ユーロ程度、所要約1時間。鉄道はアトーチャ駅から高速鉄道(Avant)で約33分と非常に速く、片道15ユーロ前後。時間を買うなら鉄道、節約するならバスという構図は今も変わらない。どちらもオンラインで事前予約でき、週末は混むので早めに押さえておくのがおすすめである。
観光地と生活感が入り乱れる街

トレドは予想通り、観光地化された街並みと生活感が入り乱れる街だった。
メインストリートは完全に観光客向けの作りになっていて、お土産屋やレストランがずらりと並ぶ。しかし少し奥の路地に入ると、地元の人たちの暮らしが垣間見えるのだ。

中学生ぐらいの子どもたちが、この細い路地を通って家に帰っていく様子が印象的だった。世界遺産の中で普通に生活している。なんとも不思議な感覚である。
観光列車で高台のビューポイントへ
そして何と言っても、トレドは高台からの景色が最高なのだ。
ただビューポイントは街から少し離れた場所にあるので、車やバスで移動するのが無難である。

僕が乗ったのは、この列車みたいな形をした観光用の乗り物。街の周りをぐるっと回りながら、ビューポイントで停車してくれるのでかなりおすすめである。料金は15ユーロなり(2016年当時)。
見た目は完全に遊園地の乗り物だが、侮ってはいけない 笑

これがトレドの全景である。
左奥にそびえるのがトレド大聖堂、右奥の四角い建物がアルカサル(城塞)。茶色い屋根がびっしりと丘を埋め尽くしている。
街中を歩いているときは気づかなかったが、少し離れて見ると「要塞都市」と呼ばれているのにも納得である。三方をタホ川に囲まれた丘の上に、街がぎゅっと凝縮されているのだ。
今思えば、トレドは「街の中を歩く」だけでは魅力が半分しかわからない場所だった。外から眺めて初めて、この街が中世から守られてきた理由がわかる。旅先では、中に入る前に一度遠くから全体を見てみる。これはトレドで学んだ、今でも大事にしている旅のコツである。
街中にかかる布の正体

ところでこの写真、街の上空に布のようなものがかかっているのだが、何かわかるだろうか?
気になったので地元の人に聞いてみた。
答えは日よけ。スペインは直射日光がかなり強いので、街の温度が上がりすぎないようにするエコの一環なのだという。観光客にとっても日陰ができて歩きやすくなる。
たしかにこの布の下を歩くと、明らかに涼しい。先人の知恵である。
あとで調べてわかったのだが、トレドでは毎年5〜6月頃の「聖体祭(コルプス・クリスティ)」の時期に、行列が通る通りに合わせてこの布が張られるのが伝統らしい。僕が訪れたのはちょうどその準備の時期だったのかもしれない。日よけとしての実用性と、お祭りの伝統。どちらも本当のことなのだろう。
スペインに行くならトレドは外せない
マドリッドからのアクセスが良く、景観も美しいトレド。「1日しかないならトレドへ行け」という言葉の意味が、実際に行ってみてよくわかった。
スペインに行く機会がある人は、ぜひ足を運んでみてほしい。マドリッドから日帰りでも十分に楽しめるはずである!
2026年現在、トレドはマドリッド発の日帰り旅行先として相変わらず大人気で、夏場は日中の気温が40度近くになることもある。観光するなら朝早めに到着して、暑くなる午後は大聖堂など屋内の見どころに回るのが賢い。観光列車(Tren Turístico)は今も健在で、ビューポイントでの撮影タイムもある。夕方以降に日帰り客が帰った後の静かなトレドも魅力的なので、余裕があれば1泊してみるのもおすすめである。
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つづく。